< WEF 設立5周年記念シンポジウム(7月5日開催)から――女性活躍は進んだか? >


 WEF設立の狙いと、足かけ7年の活動と成果についてご紹介すると先回書きました。WEFの会員企業における女性活躍は、明らかに進んでいる、とご報告できることを嬉しく思います。

  WEFは、2014年6月に、一般社団法人 ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション として設立しました。きっかけは、2012年春のファッションウィーク報告会でした。

 そこに参加していた女性4人が意気投合したのは、繊維ファッションの業界団体の会合は背広姿の男性ばかりで女性が皆無に近い。女性がいてもジャーナリストだけ。これは女性を主たる顧客とするファッション業界としてはゆゆしき問題だ。女性がビジネスの重要ポジションにいないのは、残念なだけでなくファッション業界の将来を危うくするものだ、と盛り上がったのです。

 メンバーは、現在WEFの役員や運営委員をつとめる、堀田瑞枝さん、生駒芳子さん、信田阿芸子さん、と尾原でした。そこに山田晶子さんも加わって、月1回のランチミーティングで、業界の実態や海外の動向、そして女性自身の意識について調査や意見交換を始めました。

★被害者意識から抜け出して前に進もう

 女性が、被害者意識が強いことも議論になりました。お給料が低い、良いポストにつけない、責任ある仕事をもらえないと文句を言っては、会社が悪い、上司が悪い、社会が悪いと人のせいにしているのではないか。そうだとすれば、「あなた、本当にやる気があるの? それならやってよ」と言ったら、どうなるのか。それを見てみたいという気持ちもあり、女性活躍を支援する会を立ち上げることになったのです。

 最初は任意団体を考えていましたが、単に、女性の登用や活躍支援を呼びかけることは既に色々行われています。となれば、参加する人が自分の問題として取り組むような団体にしようと、一般社団法人にすることに。企業に基金を出捐(シュツエン=資金を拠出すること)してもらい、会員になる企業あるいは個人の会費で運営していく形です。

★会の名前を、Women’s Empowerment in Fashionとしたのは、女性をエンパワー(パワーアップ)することで、女性が主体性を持った変革を促したい、という思いからでした。

 どんな理念で、どのような活動をするか、を議論しながら活動の骨格を組み立てるとともに、発起人や出捐をお願いする個人や会社のリストも作りました。そして正式にWEFを立ち上げる段階で、初代監事の堀井紀壬子さん、現会長の寺崎志野さん、松浦祥子さん、横森美奈子さん、などにも加わって頂きました。出捐企業に22社の業界のリーダー企業に名を連ねて頂けたことは、本当に有り難かったです。

 現在の運営委員には、上記メンバーのほか、豊田倫枝さん、芳野まいさん、も加わって頂き、いずれもプロボノ(専門能力を生かしたボランティア)として活躍頂いています。また企業会員の(株)アダストリアからは、WEFへの活動支援として、運営委員を毎年1名社命で派遣して頂いており、有り難く思っています。事務局を支えて頂いている新田幾子さん、今正恵さんの貢献も大きい、優れたチームです。

 企業会員は、現在は50社に、個人会員も38名になりました。

★WEFの理念とミッション

  WEFの目的は「ファッション業界の女性リーダーを育てる」ための下記の3つ:

.  女性の成長・成功が組織の主要ポストにつながり、企業および業界の成長発展に貢献するよう支援する

2.  女性が主体性を持ち、豊かな人生とキャリアを創り上げるパワーを醸成する。またその環境を整える

3.  ファッション業界におけるロールモデルを育て、女性の啓発につなげる

 詳細は、WEFホームページ http://www.wef-japan.org/ をご覧下さい。

★女性の活躍を阻む4つの壁

 女性の活躍を阻む問題はなにか? 第 1回会合のため、会員企業に問いかけた質問の結果は、次の4点でした。

①     ロールモデルが居ない (居ても、見えない。企業は活躍する女性がいても、それを積極的にPRすることはしない場合が多い、など)

②     女性自身の意識の問題(上昇志向が不足、管理者になりたがらない、自分に自信がない、背中を押されるまで「私には無理です」と可愛い子ぶる傾向など)

③     男性の意識と企業文化の問題(女性の能力を十分評価していない、女性は家庭を守る方が幸せと考えている、育児時間が取りにくい雰囲気、逆に子育て中の女性を特別扱いする、女性が活躍することを容認/推奨する文化がない、など)

④     働き方の問題 (長時間労働や残業、人事制度と職務内容と評価の問題、評価基準が明確でない、など)

 これらの課題に取り組むため、3つの主要プログラムと、多様な活動を行っています。

★WEF活動の3本柱は、次の3つです。

1.   公開シンポジウム(年2~3回開催)――女性活躍への啓発・啓蒙とロールモデルの表出、新規ビジネスへの啓発

2.   キャリア・フォーラム(年5回開催)ーー登録した会員が5回通しで参加。各回のテーマは、キャリア構築、セルフマネジメント(リーダーシップ、アンガーマネジメントなど)、エグゼクティブのための財務、消費者/市場動向、ファッション・ビジネス最前線。(研修会後の懇親会は、異業種/他企業とのネットワーキングの機会として高く評価されています)

3.   ダイバーシティ/女性活躍推進者会議(年3回開催)――会員企業だけが参加。テーマに沿って、会員企業の先行事例の発表や共有を行う

  このほか、経営者懇談会、特別セミナー、出張研修、などを行っています。

★女性活躍は進んだか?――会員企業による心強い報告で、「確かに進んでいる」と確信出来ました。

 5周年記念特別シンポジウムでは、前回ご紹介した、ファーストリテイリングの柳井正会長・CEOと尾原との対談に加え、「女性活躍は進んだか?」 をテーマに、会員企業から女性活躍推進の進捗状況や課題などを話して頂きました。プレゼンテーションを頂いたのは、(株)アダストリア、(株)セブン&アイ・ホールディングス  (株)そごう・西武、(株)大丸松坂屋百貨店、(株)ピーチ・ジョン、(株)ビームス、(株)丸井グループ、を代表して6名。 ひとり4分という時間制限の中で行われたプレゼンでしたが、プレゼンター全員の明快で自信に満ちた話しぶりとその内容に、参加者が非常な感銘を受けたことが、アンケートでよく分かりました。

(写真は登壇頂いたWEF会員企業からの代表各位)

 アンケートの主な内容は、下記に個票から抜粋してご紹介しますが、登壇者のお話で印象に残っているのは、黒一点の男性登壇者の、「自分の登壇によって“女性活用は女性だけの問題ではない”ことを、視覚で、来場者に訴えることができれば、本意です。、、他の5名の登壇者のお話を伺う中で、純粋な情報だけでなく “その視点であれば、自社はどうだろうか”という内省がわき出てきました。」です。本当に嬉しいコメントでした。

 また、最近ある百貨店の営業部長に昇進した女性は、2015年からWEF研修に参加。WEFへの参画が、「開眼・意識改革をもたらしました。もはや、女性だからと卑下したり、女性だからと気負ったりする時代ではなくなっていて、軽やかに、当たり前に、自らのキャリアステップを考えて、当たり前に、明るく努力する女性たちに出会えました。相当に古い考えに呪縛されている私自身に向き合えました」、と語ってくれました。この会社では基幹店9店舗のうち女性店長が3人になったとのことです。

 女性向け商材を扱うSPA業態で毎年5人のメンバーを派遣している会社の執行役員のお話にも、ワクワクしました。全従業員の96%が女性で、チーフ以上での女性管理職比率は86%。「初期の参加メンバーから思い返すと、現在皆、当時より一段上のポジションや、新しいステージで活躍している。WEFでの経験が変革のきっかけや刺激になっていることと思います。ワーキングマザーも約30%を占め、みなキャリアとプライベート共に充実させながら、生き生きと働いています。ファッションビジネスを、あらゆる角度の分野を学べたことで、視野が広がり、社内だけでは実感しえない、女性を取り巻く現代社会や、女性目線での考え方を把握し、他社の方々と繋がりを持てたこと、も収穫だった」、との事でした。

 

★5周年記念シンポ <女性活躍は進んだか?> セッションに関する参加者アンケートよりーーコメントの一部を抜粋:

 *WEFの存在が企業にこんなに影響を与えていることに、驚き。自社にも生かしたい

 *普段、他社の事例を聞く機会が無く、非常に参考になった

 *WEFの活動が、会員企業の女性活躍に役立っていることを、6者の報告からよく理解できた。

 *WEFに参加後、企業として取り組み方を変え、女性の働きやすい活躍できる環境を作り上げたという話を聞いて、変えられる、との希望がわいた。

 *情熱的な話しぶり、に感心。

 *皆さん若い方達なのに、非常に考え方がしっかりしていた。プレゼンが上手なのに感銘。

 *4分の制限の中で、女性活躍推進の状況を分かりやすく、各社の個性が伝わるプレゼンであり、素晴らしかった

 *店長から取締役になった等、キャリア履歴がリアルで、ロールモデルとして取り入れる事が出来る

 *女性の活躍が進んでいると発表されていたことが、頼もしかった。

*WEFの場を通じて、各々がさらに刺激を受け、日々の仕事に生かしている様子がよく伝わってきた

*WEFメンバーのリアルな声を聞けてとても良かった.自分も自社にどう還元してゆくかの参考にしたい

*それぞれの会社ごとに取り組が異なり、色々な意見を聞けて参考になった

*自分のチームにも、育児短時間勤務で成果を出している後輩がいる。各社の報告を聞き、後輩に話して励ましたいと思った

*女性の活躍が実感できた。WEFへの参加を経て、企業の活躍も素晴らしいと感じた

 

 今回は、WEF設立5周年記念特別シンポジウムについて書きましたが、回を重ねる度に、WEFの活動への参加者(女性だけではなく男性の参加もふえました)のエネルギーレベルが上がって、熱気あふれるものになって行くのを、主催者として本当に嬉しく思っています。

 皆様のご支援に、改めて感謝申し上げます。

                                                                                                                      End

Posted on  |  カテゴリー: WEF ファッション分野の女性活躍支援, 女性とキャリア  | 

< WEF5周年 記念シンポジウムを開催。 メッセージは「女性を大志を抱け!」 >


 ファッション業界の女性活躍を支援する WEF(一般社団法人 ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション)が 5 周年を迎え、記念イベントを 7月5日、帝国ホテルで開催しました。有り難いことに、会場に入りきらない数の申し込みを頂き、なんとか  260 名の方に参加頂きました。

 記念シンポジウムにご登壇頂いた、ファーストリテイリングの柳井正会長・CEOのメッセージは  「Girls be Ambitious ! 女性よ 大志を抱け!」 でした。

対談する ファーストリテイリング 柳井正会長・社長と WEF 尾原蓉子名誉会長

情熱があり過ぎて、照り焼きにされることもあるかもしれないが、、」等と語る柳井会長と尾原名誉会長

  シンポジウムは、「ファッション・ビジネスはWomen’s Business」の大テーマでの「柳井会長と尾原の対談」、という企画でしたが、そもそも筆者が柳井会長に初めてお会いしたのは、1984年、私が企画/運営を担当していた旭化成 FITセミナーを柳井会長が初めて受講された年でした。奇しくもその年は、柳井さん(当時は小郡商事専務)が ユニクロの第 1 号店を、朝 6 時開店という奇抜なアイディアで広島にオープンされた年に当たります。

 それ以来、柳井さんが、FITセミナーが招いたベネトン創業者やリズクレイボーン会長あるいは ムジャーニ・インターナショナル社長などのセミナー、次いで旭化成経営戦略セミナーに毎年のように参加されたこともあって、私は、ユニクロの成長(たまには失敗)を興味と感銘をもってフォローしてきました。 とくに東京進出、フリースの爆発的成功に始まり、海外進出や著名デザイナーの起用、“ライフウェア”のコンセプト展開、そして直近の「情報製造小売業」グローバル本部  Uniqlo City (有明) 立ち上げ、などにより、年に2兆円以上を売り上げる、日本を代表するグローバル企業の一つになられたことに、大いに敬意を表している次第です。

 そんなわけで、私は 4つの観点から、柳井さんの経営哲学、人間性、女性や人材に関する姿勢、などを引き出せたら、と考え、お相手を務めました。

 4つの観点とは: 

①   これからのファッション産業の行方は? ― 世界的なアマゾンとウォルマートのパワーゲーム、その間にZARAやユニクロの拡大、ノードストロム(EC比率30%超、ショールーム業態展開)等の革新的ファッション大型店、次々台頭するユニークなスタートアップ企業のせめぎ合い、、。10年後はどうなる?

②   企業の発展/存続に不可欠なイノベーションと起業 ー 日本はこの点では周回遅れ?

③   イノベーションを担う人材の調達/育成/登用 ― ファストリではどのように?

④   女性の活用・活躍 ― ファストリは 2020 年女性管理職比率30%の目標を3年前倒しで達成。主要戦略は? 何が奏功?

  以下の2つの記事が、柳井会長の発言をうまくまとめて頂いたものと思います。

* WWDジャパン: 「ユニクロ柳井社長、働く女性に“野望のススメ”」

            https://www.wwdjapan.com/653191

*アパレル・ウェブ: 「ガールズ・ビー・アンビシャス!」

             https://apparel-web.com/news/apparelweb/58746 

 対談を通じて、柳井会長の大きな野望とみなぎる情熱、現場と細部重視の経営、そして真面目で厳しいけれども人間味あふれるリーダーシップに 改めて拍手を送ったことでした。

 WEFの設立の狙いと、準備期間を含めた足かけ7年の活動と成果については、次回にお伝えしたいと思っています。

Posted on  |  カテゴリー: FB産業構造, イノベーション, ファッション・ビジネスの未来, 人材育成, 女性とキャリア, 小売ビジネスの革新, 日本企業のありかた  | 

NRF 2018レポートplus③ 「現場に浸透しはじめたデジタル技術と、未来を開くiLab」


 NRF 2018の報告に plus (関連情報やその後の動きなどをプラス)して書いている   NRF シリーズ第 3 回目は 「テクノロジー」です。これは2018大会のテーマ 「小売りのトランスフォーメーション」の中核となる手段であり、これまでで最大のスケールで展開されました。展示ブースも700余、開発中のテクノロジーを見せるiLab も例年をはるかに超えるスペースをさき、多様な技術を提示しました。

(写真は iLab に掲げられた“Innovate or Die の看板) 

 「トランスフォーメーション」とは、単なる変化ではなく、“形態・外見・性質の変容”を意味する言葉で、昆虫などの「変態」つまり、幼虫がさなぎになり蝶になるといった変容にも使われる言葉です。ということは、一朝一夕に達成できるものではなく、テクノロジーをテコに、仕事の仕方/組織のあり方を変える、組織文化/行動の変革を意味します。これを、“Outside-In”(顧客から内部改革へ)のデジタル・ダーウイン主義」すなわち、顧客の進化に従い、企業が変容して行くこと、と言う人もいます。その意味で2018年は、昨年のNRFからのメッセージ、「デジタル技術は今、飛躍への“転換点(ティッピング・ポイント)に” に続いて、小売り業界全体が、いよいよトランスフォーメーションに本格的に取り組み始めた年、ともいえるでしょう。

 テクノロジーについて、「今回のNRFは、目新しい技術は少なかった」という人もいます。しかし私は、これまでに登場したテクノロジーが、自社の“トランスフォーメーション”のために、どのように活用出来るか、自社の戦略としてはどこから始めるのがよいか、等の観点で多様な方向性が紹介された非常に重要な大会であったと考えています。議論・提示された最大のテーマは、AI(人工知能)によるビッグデータ分析からパーソナル化、それに絡む人材確保と革新的組織作りでしたが、AR(拡張現実)、コンピュータ投影(computer projection)画像認識、ロボット、IoT(カメラ、センサー、RFID等の多様な要素技術のコネクト)、などの事例も多く紹介されました。RFIDも、在庫管理や一括レジなどの単独機能から、センサーやカメラやAI活用により個別商品・個別顧客の動きを本部や店舗のマネジメントにコネクトし、販売スタッフの業務内容にまでカバーする業務効率アップに加え、顧客体験の向上を達成する、複合的ソリューションの段階に入っています。

 時代は、『新しいテクノロジーについて知る』 ステージから、『どの技術を使って、自社のビジネスを変容させるか』 に入っていると痛感しました。 

AR(拡張現実)>

 AI(人工知能)によるデータ分析や深層学習の事例が多く紹介された大会でしたが、今回筆者はAR(拡張現実)に今後の大きな可能性を感じました。これまでもARについては、色々な試みが進んでいます。たとえばIKEAでは、カタログの気に入った製品を、自宅の環境に置いてみることが出来ます。IKEA Placeのアプリをダウンロードし、自宅やオフィスの床面をスキャン、アプリ内の商品リストを検索し、設置したい商品を選び、その商品を目的のスペースに移動して設置する、といったシンプルな操作で可能になるものです。

 ほかにも、コンバースのモバイルアプリ The Sampler により自分の足にiPhoneを向けると、試したい製品を着用した様子が見られとか、米国ユニクロの、売り場に設置されたマジックミラー(memomi 社、鏡を兼ねたタッチパネル)で、気に入った製品を着用し、色々なカラーをバーチャル試着できる、などもあります。

 Zaraは、今週(2018418日)から、Zara AR appによるARを、世界120店舗でパイロット展開すると発表しています。ここでは、店内やウインドウの服にスマホのカメラをかざし、ARのアイコンで、モデルに着せてみることが出来る。その商品が、欲しければそのままスマホのShop the Lookボタンを押して購入も出来、SNSでシェアも可能で、Zara社は、ユーザーにホログラム(デジタル画像)を撮影しアップするよう勧めています。このテクノロジーは、購入した商品が配達されたボックスを包装紙の上からポップアップで見て中身を確認、さらに他の商品の見ることも可能、とされています。パイロット展開の結果が非常に楽しみです。

 (Spacee社のARテクノロジー 画像NRF提供)

  今回ARとくに興味深かったのは、後述する iLabで紹介された、Sapcee社のテクノロジー。リアルの世界(例えば売り場の商品)にデジタル投影(スーパーインポーズ)することによって、スマホや眼鏡などを使わずに、商品情報を得たり、双方向コミュニケーションをしたり出来る技術です。上の写真がその事例で、AI搭載の最新式サーモスタット製品(室内の温度調整器)の説明をデジタル投影で行っているデモです。この技術はすでにウォルマートの一部の店舗で使われており、家電機器のように細かい説明が必要な商品の販売に、大いに役立っているとのこと。在庫をミニマイズ出来、品減りもほとんどなくなった、といいます。ちなみにSapcee社は、“テクノロジーが人間の体験に自然な形で融合する将来を目指す”ことを唱っているスタートアップで、上記は同社のバーチャル・タッチスクリーン技術を使って、二次元、三次元の物体の表面を光線によるタッチスクリーンにして、人が作動やコミュニケーションすることを可能にするものです。

ARは今後拡大が期待されており、2020年には AR 経由の購買が1億㌦に達するとの予測もあります。 

iLab=新規技術の展示・デモ> 

iLabは、新規ソリューションの展示・デモのコーナーですが、今年は2020のリテーリング」として29社の展示、また「新興テクノロジー」コーナーでは、パイロットに入る前の段階のものを含む多彩なテクノロジーが展示されました。

 「2020のリテーリング」コーナーでは、テクノロジーを顧客の買物プロセスで5つの段階に区分して紹介。非常に親切だと感心しました。上の画像はそのレイアウトを紹介するパネルです。5つの段階とは:
 *認知 Awareness- 先に挙げたSpaceeなど、商品の提示や顧客インタラクションの技術など 

 *検討 Consideration- AI活用で自分に合うものを提示してくれるFINDMINEなど

 *エンゲイジ Engagement- 駐車場まで送ってくれる買い物ロボットのFive Element など

 *サービス Service- 家具据え付けやペンキ塗り等のプロを紹介するプラットフォームのhandyなど

 *購買後 Post Purchase- 返品プロセスを支援する「リバース物流」Optoroなど

 

 「新興テクノロジー」コーナーでは、ユニークな発想による 22 社のソリューションが紹介されました。

  (クレジットカードでドアを開ける無人ショップ)

 例えばAIによる無人ショップdeepmagic ―上の写真参照)、

ラグジュアリー製品の偽物見分けソリューション( entrupy―下の写真参照)。

そのほか、バイオ原料の3D印刷で服を作る、足のサイズの立体的測定ソリューション、などなど、まだ実験段階のものも含めて興味深い展示やデモでした。米国以外のスタートアップも多く、なまりのある英語が飛び交う様子は、まさしくグローバル化とデジタル化の時代、を痛感した次第です。

Posted on  |  カテゴリー: テクノロジー, ファッション・ビジネスの未来, リテーリング, NRF大会報告  |