<NRF(全米小売業協会) 大会 BIG Show レポート 第1回>


 恒例のNRF (全米小売業協会)年次大会が、115日から3日間、ニューヨークのジャビッツ・センターで開催されました。参加者は米国ばかりでなく世界 95カ国から 35000 人を超え、展示場では 512 社が機器やソリューションの展示とデモを繰り広げました。 

 今年の焦点、あるいはメッセージを一言でいえば、「いよいよテクノロジーが実践の場に入る」です。

NRF大会の大ホールのステージ: ニューヨークで開催される世界最大の小売りイベントを強調

 今年のNRF大会は、筆者にとっては、1987 年以来、 31 回目の参加。この間一念も休むことなく精勤を果たしたことになります。厳寒のニューヨークで 3日間(昨年までは足掛け 4日間)缶詰めになるこのイベントに、なぜ 31 年も欠かさず出席しているのか、と驚かれます。その理由は、この大会が、消費財を 扱うあらゆるビジネスの最重要ステージである「小売」にフォーカスしていることで、時代の変化の潮流をつかむ定点観測として非常に価値があるからです。まず、大手のテクノロジーやソリューション会社あるいはコンサルティング会社が、それぞれ自社の最新・最重要のコンセプトや考え方あるいは技術やノウハウを、しのぎを削って提示・発表します。また、その年に抜きんでた戦略や革新で話題を呼んだ企業や成功した企業の幹部が講師を務めることも魅力です。

さらに重要なことは、このタイミングでNRF Nasional Retail Federation=全米小売業協会)の総会も開催されるため、会員企業のトップが集結します。それらの経営者が、講師としてばかりではなく聴衆として、他社事例や最新の考え方などに耳を傾け、質問をしたりするのです。日本のこういった大会では、講師は自分の講演部分だけに参加する場合がほとんどですが、超多忙な経営トップが他人の話やプレゼンを聞くということに、アメリカの進取の気性とパワーを感じます。

 私のお目当ては、まず第 1に、注目講師のプレゼンや先端的企業事例をセミナーやフォーラムなどで学ぶこと。第 2には、テクノロジーの進化とそれらが実際の企業活動にどう取り組まれていくのか、を探ること( 500社以上の展示ブースを回るのは容易ではありませんが)。第 3には、会場で出会う経営トップや有識者、研究者や学者と意見交換をすることです。この時しか会わない人も多いのですが、わずか 10分や 20分の立ち話であっても、プロの人達との的を絞った先端的動きの共有や意見交換は、素晴らしいものです。

 今年のセミナーは、昨年より焦点を絞った約70が 3日にわたって同時進行で行われました。それらは参加者の便宜のため、次の6つのトラック(カテゴリー)に分類されていました。すなわち:

   グローバル・リテーリング(世界小売動向、越境ECなど)、

   ラディカル・リテーリング(ラジカル=急進的な新ビジネスモデル、起業事例も多い)、

   小売店舗(未来的店舗の紹介、ストア・デザイン、ニューヨークで話題の新店舗ツアーなど)、

   マーケティング&広告(モバイル、ソーシャルなどで変容するマーケティング)

   小売の組織(オムニチャネル対応など 新しい組織の在り方、等)

   顧客エンゲイジメント(顧客体験と長期的ロイヤリティの構築、など)

これらのほか、9つの基調講演がありました。次回は、基調講演を中心に、NRF 2017 のハイライトをお伝えします。