<「プロジェクトWEF」活動報告――村木厚子氏がFB経営者に講演して下さいました>

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 一般社団法人 ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(呼称:プロジェクトWEF)では、はじめての経営者懇談会を1126日に開催しました。 趣旨は、この会の立ち上げを支援して下さった業界リーダー企業のトップの方々にお礼と活動報告を申し上げること。と同時に、「女性が活躍できる企業へむけて」のテーマで、厚生労働事務次官の村木厚子さんに経営者に向けたお話しいただくことでした。(画像は会場風景)

  有難い事に、三越伊勢丹の大西洋社長をはじめ、髙島屋の肥塚見春専務、良品計画の松井忠三会長、アダストリア・ホールディングスの福田三千男会長、ビームスの設楽洋社長、ワールドの畑崎重雄会長などなど、錚々たるメンバー24名が御参加下さいました。2時間を超えるプログラムも熱心に聞いて頂き、貴重な御意見を伺う事も出来ました。「企業における女性の活躍」という一朝一夕には解決しにくい課題に真剣に取り組もうとされている経営者の方々の姿勢に感銘を深くしました。 主催者としても心から感謝しているところです。

 村木次官のお話は、第2回シンポジウムで大絶賛を頂いた基調講演 「しなやかなパワーで課題を乗り越える」 の内容に加え、経営者に向けて “少子化の進行と人口減少社会の到来” という日本の未来に関わる問題をあらためて提起し、政府の施策(解散により中断していますが)である「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」 を説明。さらに企業には 「自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析」、「それを踏まえた行動計画の策定・公表」、「女性の活躍に関する情報公開」 などに取り組み、企業としてのPDCAサイクルをまわして欲しい、との要請もありました。

 村木氏の講演で特に印象に残っている事をあげると:

 1.女性の活躍による経済効果は大きい――労働市場における男女平等が実現すれば、今後20年で    日本のGDP20%近く増加する(OECD予測)

 2.女性の社会進出が進んでいる国ほど、出生率(合計特殊出生率)も高い傾向にある

 3.日本では、第1子出産を機に約6割の女性が退職している

 4.男女共同参画の国際比較では、日本は142カ国中104位(世界経済フォーラム2014

 5.妊娠・出産前後に退職した理由のトップ2は、「勤務時間が合いそうになかった(会わなかった)」     「職場に両立を支援する雰囲気が無かった」

 6.夫の家事・育児時間が長いほど、第1子出産前後の妻の継続就業割合が高い

 7.出産後も仕事を続けたいと思うかどうかには、「仕事のやりがい」が強く影響している

 

 まとめとしてのお話しでは:

 1.トップが「女性が活躍できる会社にする」との明確なメッセージを出して欲しい

 2.是非とも、フェア(公平)な評価を(必要ならポジティブ・アクションも)

 3.女性を一定量の数にする――3 割(クリティカル・マス)で波及効果が生まれる

特に私がここで強調したいのは、下記の点です。

 4.女性が活躍するための「2つ座標軸」は

  ① 働きやすさ(辞めないですむ)

  ② 働き甲斐

「働き甲斐」は本当に重要です。私自身、保育園も数少ない時代に、配偶者の転勤等に遭遇しながらも、なんとか辞めないでキャリアを続けられたのは、「働き甲斐」、「働く目的と苦労に見合う達成感」があったからだと、今、あらためて感じています。

 

 プロジェクトWEFでは、女性活躍支援のため色々な活動を進めています。5月末の立ち上げ以来、公開シンポジウム2回、キャリア・フォーラム2回、ダイバーシティ/女性活躍推進者会議2回を開催。公開シンポジウムでは、いずれも企業幹部からキャリアアップをめざす女性達までの220名を超える熱心な参加がありました。企業や個人会員向けのキャリア・フォーラムや推進者会議では、毎回のテーマによる研修とワークショップ、ネットワーキングが行われています。詳細は → http://wef-japan.org

 ファッションという女性がその才能をもっとも活かせる産業において、女性がもっともっと活躍して欲しいと願う毎日です。御関心を持って頂ける方は、是非、会員になって下さい。