小売ビジネスの革新

AI が拓く新小売り時代―ビジネスは新たなステージへ

生成 AI (ジェネレイティブ AI )が注目を集めています。一昨年11月に公開されてから、わずか2カ月でアクティブ・ユーザーが1億人を突破し、その後も大小の企業を巻き込みながら、猛スピードで多様・多彩な展開を見せています。

AI (人工知能)は、人間の知性が必要とされる高度な作業を行うことが出来るコンピュータ・システムとしてかねてから研究開発が進められてきました。そして近年の機械学習や深層学習での進展をもとに登場した「生成 AI」は、自然言語での使いやすさにより、文章作成、検索やチャット、要約や翻訳、画像生成、等、日本でも活用が始まっています。

ファッションや小売ビジネスは、AI、とくに生成 AIの活用メリットが大きい産業だと思われます。さらに「今後5年間で、AIは、生活の在り方をどうう変える?」の予測でビルゲイツが言っているように、「一人一人が、自分専用の人工知能アシスタント=エージェントを持つ」といった時代が来ることも予想されます。

AIが拓く 新時代。AI の可能性と世界の動きを知り、自社に有効な形でそれに取り組むことが重要になって来ました。デジタルでは世界に周回遅れと言われる日本の、ファッション/小売業界のリーダーの皆さんに私の想いをお伝えしたく、繊研新聞に寄稿しました。(本日、2月15日付け7面掲載)

以下に記事をご紹介します。

NRF 2023 報告: “信念” と ”ケア(気づかい)” で      ブレイクスルーを

NRF 2023 logo

恒例の、米国小売業大会、NRF2023 Big Showのリポートが、繊研新聞に掲載されました。今年は、エントリーはしていたのですが、最終的にリアル参加は断念しました。直接現地を体験しなかった分、NRF発信のニュースやビデオ、現地の有識者(米国業界リーダーを含む)、あるいは主要講師に直接ネット取材をするなどで、いつもより苦労しましたが、1987年初参加以来、37回連続で定点観測的に見てきたNRF大会だけに、見ていないものが見えた、という不思議な気持ちになりました。

大会の最大のメッセージは、「人間重視(ダイバーシティ/平等/包括性)とケア(気遣い)の重要性」。「企業文化が、戦略やビジネスモデルを超えて、真の顧客価値を生む」でした。

テクノロジーが、特にAIを中心に多様な展開を加速する中で、「人」、「生きること」、「思いやり」、「優しさ」に、明確なギアが入った大会だったと、感銘を深めています。

以下が、繊研新聞から掲載許可を頂いた、寄稿記事です。

コロナ禍3年を経て、アメリカのファッション小売業界は、大きく変容しました。DX(デジタル・トランスフォーメーション)や店舗の変革、DE&I(多様性/平等/包括性)、働き方改革、サステナビリティ、、と。そして今、人・生き物・心・地球が焦点になっています。

それに対して日本は、身を縮めてコロナの嵐が通り過ぎるのを待っていた感じがしてなりません。世界の潮流に、これ以上後れを取らないように、日本の、日本企業の、日本人の、大奮起に期待しています。

石倉洋子さんの 「デジタル監」就任に拍手! と NRF2021 第2ステージ大会報告

今日、正式に発足したデジタル庁の「デジタル監」に、一橋大学名誉教授の石倉洋子氏が就任されました。石倉さんは、私が非常に尊敬する世界的人材で、広い視野と高い視座、柔軟な発想、そしてスピード感と行動力をもつ人です。今、変革を迫られている日本、なかでも世界に大きく後れを取っている“デジタル化”という、旧態的考え方ややり方では不可能な事業のリーダーに、石倉さんが就かれたことに、最大限の拍手を送るとともに、応援したいと思っています。

実は石倉洋子さんは、筆者の仕事やキャリアにおける長年の友人、というより仕事における同士的存在でもあります。1970年に、日本の繊維ファッション産業の変革を目指して旭化成が始めた「FITセミナー」の通訳として8年間お世話になったのを契機に、以来、プロフェッショナル人材開発、ビジネスのグローバル化、変革をリードする経営者育成、人材の多様性や女性活躍支援など、私が力を入れてきた活動に、いつも惜しみなく協力と支援をして下さってきました。

日本女性初の、ハーバード・ビジネススクール博士号取得、ダボス会議での色々なセッションの司会者、など、日本人としては希少/貴重な経験もされている石倉さん。デジタル庁の喫緊の課題は、コロナ禍で明白になった行政サービスの不備をデジタル化で克服することにあり、「マイナンバー」の普及を中核に、国と地方自治体間のデータ共有や、官僚機構の縦割り打破、さらには教育や医療分野にも取り組まれることになると思われますが、多様な能力をもつ民間人200名を配下に、存分の力を発揮して下さることを祈念しています。

行政のデジタル化というこの動きは、当然ながら民間のビジネスにも波及し、わがファッション流通のデジタル化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展を促進すると期待しています。

「NRF第2ステージ リポート:

ニューノーマルとは 変化が常態になる世界」

コロナ禍をテコに、新たな未来に向けて、大きな変容を遂げつつある米国。デジタル・トランスフォーメーションが企業の勝敗を大きく左右しています。恒例の全米小売業大会の2021年度は2回に分けたバーチャル開催になりました。その第2弾のリポートを、昨日の繊研新聞でご覧ください。 (繊研新聞 2021年8月31日付け 9面 繊研新聞社より掲載許諾)

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