日本FIT会では、来る 11 月 19 日に、FIT大学院の 「グローバル・ファッション・マネジメント」 コースを紹介するインフォーメーション・セッションを、FITから2名の教授を招いて、開催します。 対象は、留学でファッション・ビジネスのマネジメントを学びたい方、あるいは企業や大学で社員や学生のキャリア指導をされている方、です。
テーマは 「ファッション・ビジネスのグローバル人材を育成するFIT――Global Fashion Management (略称GFM) コースで学べる事は?――」 。
紹介するコースは、 『これからのグローバル時代に求められる企業幹部』 を育成する目的で設置された、世界でも類のないユニークな修士コース。ファーストリテーリング社(ユニクロ)が、留学奨学金を出しているコースでもあります。 カリキュラムは、ファッション分野でグローバルに活躍する人材に必要なマネジメント全般 (戦略やグローバル・マーケティング、ファッション・ブランド・マネジメント、ソーシングや財務、情報技術など) を幅広くカバー。 特に注目すべき事は、ニューヨークのほか、パリ、香港の3都市で、各2週間の集中セミナーが行われ、パリではラグジュアリー・ビジネス、香港では生産やソーシングを中心に学ぶ、極めて今日的、国際的、かつ立体的なものです。与えられる学位も MBA ではなく、MPS (Management for Professional Studies) というこれまたユニークなもの。世界から多様な人材が学んでいて、国際感覚を磨く意味でも、有効なコースです。
(詳細は、日本FIT会のホームページ: http://fitkai.jp/pdf/4th_131009n.pdf をご覧ください。)
日本のファッション・ビジネスにおける専門的人材の養成を振り返ってみると、先回書いた、ファッション・ビジネス誕生の初期段階では、まず「デザイナー」、ついで 「パターンメーカー」や「生産管理者」の育成が中心でした。 その後、既製服の拡大に伴い、新たなデザインを魅力ある商品ラインに組み立て、流行の波に乗りながらビジネスを回すマーチャンダイザー養成へのニーズが高まりました。さらに、ビジネスの成熟化に伴い、市場の動きとターゲット顧客を捉え、ブランドの魅力をアップする、マーケッターやファッション・コ―ディネーターの必要性が浮上します。また、商品の魅力だけで勝負するビジネスから、店舗でのプレゼンテーションが重要になって、ビジュアル・マーチャンダイザー、さらに最近になってからは、ブランディングを感性面からリードするクリエイティブ・ディレクターの必要性が叫ばれるようになりました。この間、工場の生産システムやコンピュータを活用したパターンメーキング、グレイディングや、ネットビジネスやソーシャル・メディアの拡大にからむ、ICT (情報コミュニケーション技術) などの技術系のプロフェッショナルも必要になりました。
そしていま、ビジネスがグローバル化し、さらに激化する競争の中で、企業が勝利するためには、氾濫する製品や数多のブランドの中から抜きんでたアッピールを持つブランドの開発とマネジメントが不可欠になってきました。
FIT の GFM コースは、まさしくこういったビジネスを展開できる人材の育成をめざすものです。新しい時代が求める、独自性と優位性ある商品、ターゲットとする顧客が価値を認める 『信頼される』 ブランドづくり、グローバルな競争力、そしてこれらを達成するためのICTの効果的活用、の能力です。 めったにない機会ですから、興味のある方の積極的参加を期待しています。